◆はじめに
本記事はマスニキさん(@DJ_MS2K)主催のアドベントカレンダー
「 #imas_この曲語らせて Advent Calendar 2018 」21日目の記事です。
前日は稲本海さんの「【#imas_この曲語らせて】トキメキの音符になって――巧妙に仕組まれた「隠れ転調」」です。
転調といったらDo-daiやろ(オールドアイマスオタク)って思ってました。
実際聞いてみたらたしかに転調しとるわコレ!
(言われないと気づかない耳と音楽知識)
◆本編の前に軽いジャブから参ります。
改めまして伊藤伸恵です。
アイマスDSから沼に入り今年で8年となります。
自覚はなかったんですけど割と年季の入った秋月涼のおたくです。
さて、表題にも挙げた通り、伊藤は「羽ばたきのMy Soul」について語ります。
とはいえ"語る"として"何を語る"かです。
ご存知の通り「羽ばたきのMy Soul」は秋月涼の歌唱曲です。
そして、秋月涼と言えば「315プロのアイドルの中でも"ワケあって"の"ワケ"が多く描かれているアイドル」です。
おわかりですか?(古論
そうです。
アイドルマスターDearly Starsです。
https://www.bandainamcoent.co.jp/cs/list/idolmaster/ds/product/
sideMとして継続的に展開がされる秋月涼の、その過去を"知っている人"
……果たして、今の秋月涼のオタクの大多数が"知っている人"なのでしょうか?
少なからず、近年アイマスを知り、さまざまなアイマスに触れ始めた人はDSに触れる機会が少なくなっています。
(このアドベントの発端となったアイマストドンでも最近アイマスをはじめましたという人は多い)
DSの秋月涼を知ることで「羽ばたきのMy Soul」は一層深く噛みしめることが出来るようになります。
具体的には歌い出しの1フレーズ目を聞いた瞬間に膝から崩れ落ちるなどの症状が出ます。
※これは特殊なケースです
というわけで、秋月涼の876プロで輝いた時にフィーチャーしていきます。
◆ようやく本編です。
まず「羽ばたきのMy Soul」の歌詞、歌い出しです。
これをよく覚えておいて下さい。
>僕はここにいるよ
はい覚えましたか?覚えましたね?これテストに出ます。
全部語ると相当長くなるので概要だけですが、DSのネタバレを存分に含みますので御注意下さい。
→そもそも秋月涼というアイドルの始まり
秋月涼が"アイドルになったきっかけ"は実際のところ、そんなにエモーショナルではありません。
元々がかわいい顔立ちであり「学校の男子から告白される」という男としてどうなのという目に遭い(しかも一度や二度ではない)
このままじゃダメだ、男らしくならなければ!と一念発起、イケメンアイドルになってかっこよくなろう!とします。
そこで頼ったのが従姉であるところの秋月律子。
「765プロでは預かれないけど、知り合いの所なら?」ということで876プロを紹介されます。
さて、いざ876プロを尋ねると、男性アイドルとしての所属は断られます。
(秋月律子VS岡本まなみの鬼畜眼鏡対決の模様などはコミカライズ版が手軽です)
女性アイドルとしての適正が勝ったということですね。
765に所属しても結果は変わらなかったという点が鬼畜眼鏡対決たる所以
そんなわけで"女性アイドル 秋月涼"が爆誕します。
この時点で関わった876プロの大人は石川社長と岡本まなみさん。
早々に申し上げておきますが「アイマスDSに出演する大人は大概ろくでもない」これもテストに出ます。
女性アイドルとしての秋月涼は元々の素質か、女慣れさえしてしまえば入門級のオーディションは余裕で勝てるとまで評されます。
なので最初は「女の子に慣れる」「女として生活することに慣れる」ことが課題でした。
同期の日高愛(かわいい)や水谷絵理(かわいい)と足並みを揃え、色々な仕事をしていきます。
時に765プロの先輩(序盤は真が師匠になります。所謂りょうまこですね)と共に仕事に挑んだりもします。
順調に経験を重ねていく涼ですが、やはり「明確にアイドルとしての目標がない」状態であることは否めないわけです。
きっかけがきっかけであるし、ここまでの経緯も中々にギャグなので、それはそうでしょうね。
このままでも女性アイドルとして一定の結果を残せたでしょう。
しかし、男性アイドルとして転身するだけの結果が出せる程ではない。
そんな折、同ランクのアイドルとして切磋琢磨するライバルに出会います。
https://dic.nicovideo.jp/a/%E6%A1%9C%E4%BA%95%E5%A4%A2%E5%AD%90
桜井夢子です。
→桜井夢子って誰だ?
ものすごくメタ的な話になると秋月涼ルートのヒロインです。
同期のライバルアイドルに何らかの妨害を加え 蹴 落 と す という中々ゲスい奴です。
(激辛キャンディとかそういう手段を講じ、一時期二次創作で夢子の自作キャンディが便利アイテムと化した)
ただしアイドルとしての素の実力も相当であり、自身の鍛錬も欠かさないという誠実さもあります。
妨害さえしなけりゃなあ……とは思うけど、それがないとシナリオが成立しなくなるんですよね
当然その狡っ辛い毒牙は涼にも向けられます。
が、その妨害を涼は尽く乗り越えたので「絶対に蹴落としてやる」という殺意に近いものを向けられるまで至ります。
こう書くと「何やこいつ」ってなりますが、結構かわいいんです。
そりゃアイドルだし
そうして結果的に涼にとって"良きライバル"となって互いを高めていくことになります。
ここで登場するDSの大人は武田蒼一。この人はまっとうな大人です。
有名な音楽番組「オールド・ホイッスル」を主宰し、自身も作曲をするプロデューサー。
(後にモバゲー版シンデレラガールズのコラボイベントで登場した際はCu属性アイドルとなった)
涼の運命は、夢子と武田さんの2人に出会ったこのタイミングで大きく動きます。
夢子は明確に「トップアイドルになる、オールド・ホイッスルに出演する」という夢を強固に持っているわけですね。
また、武田さんも現代の音楽事情を憂い、真剣に未来を見据え、自身の描く夢を叶えるべく日々生きています。
それじゃあ、秋月涼の"夢"って?
一方で涼たちのアイドルとしての地位は確固たるものになり、トップアイドルと呼ばれるに相応しい高ランクとなっていきます。
武田さんから涼と夢子にオールド・ホイッスルへの出演オファーを検討する旨の言葉も貰います。
先輩としてのやよいの純真さ、パワーに触れ
大いなる壁としての千早との経験を噛みしめ、先へ進む涼
このあたりで夢子の妨害は徐々に鳴りを潜めていきます。
涼と共に成長していくうち、彼女にも色々と思うところはあったようです。
そんな折にちょっとした事件を契機として、武田さんに夢子が過去にしてきた事がバレます。
過去はいつだって己を刺してくるんですね。みなさんも経験ありますよね。
ちょっとこの文を書きながら自分で胸が痛くなってきました。
夢子はアイドルとしての実力も申し分なく、歌そのものへの魅力があることは武田さんも認めるところです。
しかして、妨害を重ね、同期のアイドルを蹴落として勝ち上がってきたことも紛れもない事実。
その素行は、たとえ過去のものだったとしても看過できるものではありませんでした。
結果、夢子はオールド・ホイッスルへの出演の機運が無くなります。
まさに文字通り「夢が消えた」のです。
→折れた夢、そして──自分と、彼女のために叶える夢
このあたりから徐々にイケメンの頭角を表してきた秋月涼、黙ってるわけがありません。
武田さんに直談判し、なんとか夢子の夢を途切れさせないようにしようとします。
しかし武田さん、やはり出来る大人であった。
人を謀り欺く、その行為は夢子だけがしてきたものではなかった。
「秋月くん、キミは────男なのだろう?」
バレてんだなあ。
実力、地位共に充分でありながら男性アイドルに転身していない涼に更に追い打ち
「自分の夢一つ追えないキミが、人の夢のためにこうして口添えに来るのは──とても不自然に感じるが」
自分はどうするべきか────
→女性アイドル秋月涼の苦難と栄光
やはり自分は男性アイドルを目指す。
結果として夢の再確認と、これからの歩む道を固めた涼。
既に実力と地位は申し分なく、トップアイドルです。
それでも女性アイドルから男性アイドルへの転身は容易ではなく、また結果がどうなるかなど誰にもわかりませんでした。
当然ながら社長には猛反対を受けます。
(余談ですが岡本まなみさんは早期に876プロを去り、何故か日高舞のマネージャみたいなことをしています)
女性アイドルとしての実力を示すため、765プロの先輩であるあずささんとの対決に臨みます。
そこで勝利することで、女性アイドルとしての一つの頂点に至り、男性アイドルへの転身は秒読みとなったわけです。
しかし、やはり、またしても。
その道に立ちはだかるものがありました。
今度の敵は芸能界の全てでした。
女性アイドルとしての実力、地位
それらが商売の種であり、秋月涼の"商品価値"でした。
果たしてそれが男性であると知れた時にどうなるか──
トップアイドルは芸能の全てに深く食い込むような存在であり、その影響力は計り知れません。
業界はそのリスクを恐れました。そりゃあ恐れますよね。現実でも炎上しますよ。
しかし本人はたまったもんじゃない。
今まで味方だった人や世界が全て敵になり、道が閉ざされていく。
男性アイドルとして生きることは叶わないのだろうか?
その光明はたった一つだけ残されていました。
武田蒼一率いる音楽番組「オールド・ホイッスル」
他のメディアの権力が及ばない"音楽を守るための砦"
トップアイドルが、自身の見初めたシンガーが業界の全てに封じ込められようとしている。
如何な守る砦と言えども、見過ごす道理はなかったのです。
「たまには打って出て、攻撃能力があるところを見せてやろう」
オールド・ホイッスルの舞台で自身が男性であることを告白する涼。
その光景は夢を失い部屋に引きこもっていた夢子の目にも届いていました。
いくつもの困難を乗り越え、頂点に立ち、夢を叶えた涼からの、大切な友人へ贈る言葉。
「夢を────諦めないで」
そして紡がれる歌"Dazzling World"
(ゲーム内だけで聞ける特別バージョンです、これは本当に全人類に聞いてほしい)
きらめく世界、紡がれた夢、そして再び少女の目には光が宿る。
そして涼と夢子は晴れて結ばれるわけです。(大嘘)
最後の最後に自分の欲望が漏れました。
ただ実際りょうゆめは一大カップリングです。これは揺るがない。
ちなみに夢子についてですが、武田さんから「もう一度まっとうにやり直せば再度検討しよう」ということで
それまでの地位を全て捨てて最初からアイドルとしてリスタートすることになります。
それが過去の贖罪になるかは相当な脱線になるので触れないでおきます。
以上がDSにおける秋月涼の「いちばん最良の結末」です。
もちろんsideMにおいてこの過去を通っているかについては不明です。というか十中八九トゥルーエンドではない。
明確に情報くれって言い続けて何年経っただろう。
それでも、紆余曲折あり315プロでユニットとして活動するまでに至った過去、歩んできた道の概ねは外れていないと思います。
>取り巻く世界が変わっていっても
>自分らしく在ればいいから
どんな道を歩んで315プロに辿り着いたとしても、秋月涼が秋月涼である事実は揺らぎません。
DSのオタクとしても紆余曲折あったんですが、今ははっきりとそう断言できます。
◆それではここでテストのお時間です。(曲語りの本編ともいえる)
>僕はここにいるよ
(膝から崩れ落ちる伊藤)
あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜涼〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
やっっっっぱり羽ばたきのMy Soulなんだよなぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
(仙台2日目のアフターで死ぬほど厄介だった秋月涼のおたく(自分)を再現する)
この曲の前に出たソロ曲はなんと7年前(2009年)
実際のところ、sideMで実装されるまでアイマスDSとしての展開はあまり多くなく
「待ちに待った」という言葉がピッタリと当てはまり相当なエモを生んでおりました。
また、この曲が収録されたCDのリリースの約2ヶ月後(2017年2月)にsideMの2ndライブを控えておりました。
(伊藤のライブ現地沼の入り口だったんですがこれも脱線するので深掘りはやめます)
その直前、2017年の年始早々に行われた765プロのプロデューサーミーティング1日目に!!
女性アイドルの姿でステージに立つ秋月涼が!!Dazzling Worldを!!
歌っていた!!
という大事件も起きました。
正直この頃は本当に2018年まで生きていられるのかなって思っていたんですが今も生きてます。
伊藤の生死はさておき、7年にも及ぶ時を経て再び始動したアイドル秋月涼のソロ曲
その曲の一発目から「僕はここにいるよ」なわけです。
泣かないわけがない。
何ならこの記事書きながらちょっと泣いてるよ。
で、DS時代の秋月涼は特に後半、苦難を前にして1人で乗り越えてきたんですね。
根本的にアイドルマスターDSというゲームがそれまでのアイマスとは違い、
ゲームの主人公(あなたです)がアイドル自身となってセルフプロデュースをしていく方式でした。(例外あり)
しかしてsideMにおける彼には苦楽を共にする仲間がいます。
>新しい仲間たちも個性派揃いで
>目まぐるしい時間に今日もワクワクしてる
元小説家(?)に元6代目(?)という中々にパンチの効いた仲間たちではありますが、
二人ともアイドルとしての成り立ちに涼自身が深く関わっているのです。
これに関しては是非モバゲー版sideMを初めてF-LAGSの雑誌通常号を読破して頂きたい。
なお涼の雑誌には夢子や武田さんなどのみなさんも出ます。
御愛顧に感謝申し上げます。
いいぞ。
>それぞれ過ごしてきた 日々は違ってるけど
>目指したい場所(ところ)は おんなじだから
>心ひとつに 向かうのさ
九十九先生も大吾くんも心強い仲間です。
他ユニットの皆だって、それぞれにそれぞれの理由(ワケ)を持って315プロに来ました。
語られていないだけで、秋月涼と同じか、それ以上の過去を持っている人だっているはずです。
それでも皆、今は一つの道を目指しています。
>信じた世界は 輝く夢へと続いている
>何が正解かなんて わからないけど
>迷いながら見つければいいんだよ
>取り巻く世界が 変わっていっても
>自分らしく 在ればいいから
上でさんざん述べたように女性アイドルとしての秋月涼は最初から最後までハードルたっぷりのトッポみたいなシナリオでした。
大人が大体ろくでもないのが原因とも言えますがそれはそれ。
それでも、自分の描く夢に対して、自分のいる世界に対して、ひたむきに信じ続けた結果の栄光なわけですね。
315プロで新たなる道を進む彼も、仲間を信じ、世界を信じることで、きっと夢を掴むでしょう。
876プロの頃には出来なかった「自分がプロデューサーになって彼を導く」ことを、僕も頑張っていこうと思います。
>何度も転んで 何度も始めよう
>輝く夢へと 飛び立とうよ!
そしてこれは今回の語る曲の歌詞ではないのですが、秋月涼のDazzling Worldからも一節。
>あなたと生きる 素晴らしい世界!
以上です、ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
秋月涼を宜しくお願い申し上げます。
876プロの新展開は誕生日の前後半年の期間で受け付けております。
何卒宜しくお願い申し上げます。
◆おわりに
なんでこの曲語りを12/21にやったのか。
本日を以て「羽ばたきのMy Soul」収録の「ORIGIN@L PIECES 02」が発売2周年だからです。
おめでとう!おめでとう!!
っていうかもう2年!?早くね!?!?!?!?
というわけで曲語りでした。
曲について語ってたか?
明日はごまおさん(@gomao)の宮尾美也豪華3曲盛りです。
好きな曲はゼンブーーーーーーーーー👆👆👆👆👆👆なんですが、強いて1曲挙げるとしたら初恋バタフライですかね……
他の記事も魅力たっぷりなので是非
「 #imas_この曲語らせて Advent Calendar 2018 」
◆最後に余談です
冬コミの原稿終わりました。告知記事は改めて。
褒めてくれ、あとTwitterの告知ツイをバズらせてくれ。
この記事、原稿終わってから急ピッチで書いたのでDS本編の語りがガバいかもしれませんが御容赦下さい。
ちまちま直します。多すぎて手のつけどころが無くなってそうだな。
ちなみにもう少しで伊藤くん誕生日なんです。
おおっと手が滑って謎のURLがァー!!
おわり。